
勉強したいけれどやる気が出ない…原因と対策は?
4月に入り、仕事や学業において場所や職務内容に変化が起こる時期になりました。また、何か新しいことを始めたいと考えているかたも多いのではないでしょうか。
しかし、多くの方から始めてみたはいいもののやる気が出ず持続できないというお悩みを頂いております。そこで今回はやる気が出ないことの原因と対策を紹介していきます。
1.目標が高すぎる
例えば英語や中国語等の語学をゼロから勉強するとして、「いつかはわからないけれどペラペラになりたい」「将来は海外旅行で現地の人とコミュニケーションをとりたい」のように考えているとしましょう。語学を身に着けようとしている方にとってはありがちな学習動機です。
ところで、一口にペラペラとは言うものの、それはいったいどの程度のレベルを想定しているのでしょうか。もしも仮にネイティブスピーカーとの会話に問題なく参加してジョークを交えながら議論を交わすことができるレベルであれば、TOEICスコアで900以上は確実に必要です。同僚に帰国子女や海外留学経験をお持ちの方がいたらそのレベル相当だと考えてもいいでしょう。学習を始めたばかりのあなたにとっては目もくらむような実力差があります。数か月の間頑張っても一向に差が埋まる気配はなく、徒労感から徐々にあなたのモチベーションは下がってしまいます。高すぎる目標は学習意欲を減退させてしまうのです。
解決方法:比較対象を「昨日の自分」にする
学習において成長の度合いは個々人によって異なります。それは到達目標、スタート地点、学習に割ける時間などの項目が違うためです。特に社会人の方は勉強だけしていればいいわけではないですから、学習進度はライフスタイルに大きく左右されます。
それでは一体何を基準に学習すればよいのでしょうか。それは前日の自分と比較してどれだけ進歩しているかです。以前は出来なかったことがどれだけ出来るようになっているかを確認するだけで、上達を実感することが出来ます。
2.勉強する準備が出来ていない
学習をするうえで、その準備をしておくことは非常に大切です。会社や学校から帰った後での疲れた状態で学習するわけですから、出来るだけスムーズに学習に取り掛かりたいですよね。
ところで突然ですが、ご自宅に学習に臨むための机はあるでしょうか?あるいは筆記用具や参考書は手に届く範囲に用意されていますか?
何かに取り組もうとするとき、それが手軽であるかどうかが最初の障壁となります。料理をする時を想像してほしいのですが、前日の洗い物がそのまま残っていてまず片付けから始めなければならない場合、やる気が削がれませんか?学習も同じで、すぐにスタートできる状態でないと心理的な壁が出来てしまいます。
解決方法:スムーズに学習できるスペースを確保する
机の上は教材と筆記用具以外のものを置かず、座ったらすぐに学習に取り掛かることが出来る状態を保ちましょう。机回りをきれいに整理整頓しておくだけで快適な学習スペースを作ることが出来、気持ちよく勉強することが出来ます。家の中に学習スペースを作ることがどうしても難しい場合は、図書館やカフェ、コワーキングスペースのような自分が落ち着いて学習できる空間を外部に求めるのも一つの手です。
3.普段の生活に全く関係のない学習をしている
プログラミングを身に着けて転職したいという話をよく耳にします。新しいスキルを身に着けてより希望に沿うキャリアへと進むことは大変よいことです。ただし、せっかく学んだ知識や技術を現状活かす機会が全く無いとしたら、学習に対する満足度が低くなる恐れがあります。
メリットを実感する機会が少ない学習は成果が見えにくく、学習を継続すること自体に疑問を感じてしまいます。とはいえ、ある程度スキルを身に着けるまでは実生活で使うイメージがわきにくく、何をしてよいのかわかりにくいのも確かです。
解決方法:学習内容をすぐに実践するよう癖づけする
普段の生活に学習した内容をほんの少し取り入れるだけで、モチベーションを維持することが出来ます。例えばプログラミング言語学習の最終目標がPythonやJavaScriptをマスターすることだとして、その過程で身に着ける技術は多いはずです。ちょっと遊び程度の気持ちで残業時間の記録をするプログラミングを組んでみるなど、その日に覚えた知識・技術を使ってみましょう。英語を身に着けようとしているなら、日々の挨拶を「こんにちは」から「Hello」にかえてみる等でも結構です。もちろん、完全な形である必要はありません。目的はあくまでモチベーションの維持ですから、小さな達成感で自分を鼓舞することさえ出来れば十分です。
また、すぐに実践するように心がけることが大切です。実践までに時間が空くことも学習内容を忘れてしまうという点で避けたいことですが、学習した内容を日常生活に組み込むという癖づけをすることで学習→実践のサイクルを作りましょう。そうすることで学習自体が自分の生活に意味のあるものになります。
4.完璧主義である
学習時間や参考書のページ数など、学習に取り組む際に目標を設定しておくことは非常に重要です。しかし一方で、設定した目標に到達出来ないことを極端に嫌がり「だったらはじめからやらないほうがいい」という判断に至る方がいらっしゃいます。
そういう方は、物凄くしっかりと学習に臨むこともあるのですが、学習進度が0か100なので長期的に見たときに毎日60勉強する人と比べると量・質ともに低くなってしまいます。いかなる学習においても履歴書にかける程度の技術を身に着けるには継続的な取り組みが不可欠で、一朝一夕には達成できません。
学習が0か100かに限定されている人が忘れがちなポイントとして、学習方法の正解は一つとは限らず自分に合ったものを身に着けるためにトライアンドエラーを繰り返す必要があるということです。歴史用語や英単語を丸暗記するだけならいざ知らず、体系的な知識を身に着けるためにはただ何かの羅列を記号として覚えるだけでは足りないのです。
解決方法:学習時間の記録をつける
毎日自分がどれだけ学習できたのか、記録をつけていくことが自分の中のエラーを見つける一つの方法です。記録をつけることで、数値として後から自分の学習の振り返りをすることが出来ます。重要なのは学習目標に到達できた時もさることながら、出来なかったときの原因を知ることです。それがご自身の学習における「エラー」の部分になりますから、それを解決することで着実に目標に達成できる学習習慣を創ることが出来ます。
もちろん、トライアンドエラーというからには、学習にはある程度失敗もつきものであるということを事前に知っておく必要があります。ご自身の失敗をある程度おおらかな気持ちで許容しつつ、それを繰り返さない努力をすることが継続的な学習のために必要です。
5.学習方法がわかっていない
皆さんは新しい趣味等を始めるにあたり、必要とされる器具をすべてそろえたはいいもののどこから手を付けていいかわからず結局ほとんど新品のまま押し入れにしまってしまったという経験はないでしょうか。(恥ずかしながら筆者にはあります)
学習を始める際に教材などを買いそろえることは決して悪いことではないのです。むしろモチベーションを高める効果や、「買ってしまったのだから成し遂げよう」というある種の義務感を持って積極的に学習に臨むことが出来るかもしれません。しかし、特に独学で物事を身に着けようとしている場合、1から10まですべての道具をどのように使えばいいのか知ることさえ難しく、暗中模索のまま結局長続きしないことがあります。道具一式の準備にかかった費用はすべて水の泡になるわけですから、出来るだけそのような事態は避けたいですよね。
解決方法:信頼できる学習パートナーを見つける
一緒に学習できる仲間を見つけましょう。それは同じ立場の学習者の方でも、あるいはスクールに通ってプロの先生から学習することでも構いません。大切なのは自力では解決できない壁にぶつかったときに、解説を交えながら手取り足取り教えてくれる存在であることです。一人で学習をするための教材が世にあふれている昨今ですが、一方的に提供される文字や映像等の情報ではどうしてもわからないことがあります。そんな時に口頭でサポートしてくれる学習パートナーは、あなたの悩みの「痒い所に手が届く」先生であるのです。
それでも金銭面や時間的な都合のためにどうしても独学で身に着けたい方は学習者のブログをなぞるというのも手です。学習スタートから学習目標到達までが自分に近い方を見つけて、ブログに記載されている学習をすべてコピーしていきましょう。困ったときには執筆者に直接問い合わせをすることも出来ます。
終わりに~とにかくまずはスタートしてみる
いかがだったでしょうか。今回は学習者によくある「やる気が出ない」事例について原因と解決法を5点まとめてみました。これ以外にも多くのお悩みがあることと存じますので、コメント欄に残して頂ければ幸いです。またツナグゼミではオンライン家庭教師の紹介も行っておりますので、気になる方はぜひお問合せ頂ければと存じます。
また、学習に限った話ではないのですが、やる気というのはやり始めないと出ないものです。何かに興味があるのであればそれは非常に幸運なことですから、尻込みをせずにチャレンジしてみましょう。