
普通の大学生が中国語ペラペラで外資系に就職!?佐藤崇人先生に真相を聞いてみました。
先日、満を持して北京五輪が始まりました。コロナ渦にありながら、世界中の人々からの期待を一身に背負い活躍される選手の様子からは人間の底力を感じます。
ところで近年では中国語を学習したいというお話を多く耳にしています。今や日本から程近く位置する大国となった中国とのビジネスは欠かすことの出来ないものとなり、英語に次ぐ第二外国語として中国語を学習されている方、あるいは興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし一方で、中国語の塾は数が少なく、また英語に比べて参考書などを使って独学で進めるにはまだまだ情報が限定的です。
そこで今回はツナグゼミで中国語を教える佐藤崇人先生に中国語を身に着けるに至った経緯を伺いました。佐藤先生は大阪府で台湾系の外資系企業に勤める傍ら、オンラインで中国語のレッスンを提供される中国語のエキスパートです。

ーーそもそも、どうやって中国語話せるようになったのでしょうか?
佐藤先生 直球ですね(笑)。自分の場合は台湾で生活するためには必要不可欠だったから否応なしに学ぶ必要がありました。
ーーなるほど、確かに現地生活では必要ですが…。台湾に行こうと思った理由を聞かせてください。
佐藤先生 海外で生活をしてみたくて初めはカナダやオーストラリアなどの英語圏を考えていたのですが、日本で多くの台湾人との出会いがありそこから台湾に興味を持ち、行ってみようと思いました。
ーー多くの台湾の方とはどちらで知り合ったのでしょうか?
佐藤先生 東京浅草のバックパッカーズホステルです。当時やりたいことが分からなかった私は大学卒業後そのホステルで住み込みで働いていました。そこで多くの台湾人と出会い、彼らの優しさや魅力に触れたのが台湾に行くきっかけになりました。
ーー素晴らしい経験ですね。ちなみに、その時は何語でコミュニケーションをとっていたのでしょう?
佐藤先生 基本的には英語でコミュニケーションをとっていました。当時のスタッフ寮は外国人の割合が高かったため会話も自然と英語になりやすかったです。当時は非常に英語の練習になりました。
ーー続けて、台湾に渡った時の最初の印象を教えてください。また、その時に中国語の会話力はどの程度でしたか?
佐藤先生 あまり良い印象は無いですね(笑)。初めての海外だったので不安でいっぱいでした。しかし日本で出会った台湾人の友人達が歓迎してくれたり手助けしてくれたりしたので、台湾で頑張ってみようという気になりました。当時の中国語力は、独学で多少勉強しただけだったので自己紹介ぐらいしか話せなかったと思います。現地の台湾人との会話なんて全然無理でした。
ーー良い印象は無いんですか(笑) 差し支えなければ、台湾に行った時の後悔や失敗談など伺えますか?
佐藤先生 当時は大学を卒業したばかりだったので、周りの友人達は就職して社会人として頑張っているのに自分だけこんなところで何やっているんだろうと思ったことは何度もありました。ただ自分が決めたことなんだから出来る限りやってみようと。周りのことはあまり気にしないようにしていました。
また失敗したなと思うことはいきなりワーホリのビザを使ってしまったことですね。始めに語学学校に3ヶ月通いその後アルバイトをすることになるのですが、語学学校に通った3ヶ月間もワーホリのビザだったのでその分働ける期間が短くなってしまいました。始めに留学のビザを使って後からワーホリに切り替えてアルバイトをするという風にすればより長く働けたなと後から後悔しました。
ーー確かにワーキングホリデーのビザは貴重ですよね。ちなみに台湾での日常生活はいかがでしたか?
佐藤先生 初めての海外生活だったので全てが新鮮でしたね。特に印象的だったのは地下鉄でのマナーの良さです。優先席が空いていても若者は基本的に座らず、必要としている人に躊躇無く席を譲っている姿が印象的でした。我々日本人も見習わなければならないなと感じました。
また食に関しては台湾は日本に比べて外食文化が発達していて、ワンタン麺や水餃子など美味しい台湾料理が手軽に楽しめました。また当時日本ではまだ流行っていませんでしたが、タピオカミルクティーも至るところで飲めるので毎日のように飲んでました。今思えば時代の最先端をいってましたね(笑)。
ーーうらやましい…台湾旅行に行きたくなりますね(笑) 続けて中国語学習における挫折を教えて下さい。
佐藤先生 発音ですね。中国語を学ぶ上で日本人は漢字が分かるというアドバンテージを持っていますが、日本語には強弱がほとんど無い分発音、特に四声が苦手だと考えています。例えば同じmaiという発音でも、四声によって買うの”買mai3″と売るの”賣mai4″などように意味が異なってきます。私自身も四声が合っていないため思うように伝わらないという経験を何度もしてきました。どうしようか悩みましたが、私が出した結論は”四声なんてそんなもん気にせずガンガン話す”ということです。一文字一文字の四声をいちいち気にして話すことを恐れるより、雑でも良いので間違いを恐れずアウトプットすること。それを続けたところ自然と正しい四声も身に付き、上達へと繋がりました。
また中国本土に比べ台湾はこの四声の発音が緩やかなため、日本人が中国語を学ぶ上では本土の中国語より台湾の中国語の方が学びやすいと考えています。
ーー四声は中国語ならではの難しさですね。苦労して中国語を学んでよかったと思うことはありますか?
佐藤先生 中国語を学んだことで自分の可能性が広がったと思います。日本で就職せずやりたいことも分からなかった自分が”台湾”、”中国語”というものを見つけそれを突き詰めた結果、台湾でアルバイトを見つけることが出来ましたし、そこから正社員にもなれました。また現在は学んだ中国語を活かし台湾系企業で働くことが出来ています。
ーーありがとうございます。最後に、これから中国語を学びたい人、今勉強している人にメッセージをお願いします!
佐藤先生 中国語に限らず、何らかのスキルを身に付けることは確実に自分自身の可能性が広げることに繋がると思っています。台湾で中国語を身に付けた自身の経験がもし誰かの力になれば嬉しいです。
プロフィール:佐藤崇人先生 大阪府在住。大学を卒業後、単身台湾へ移住。その後4年に渡る台湾生活を経て、現在は台湾系企業に勤務。 自身が中国語を学習した際に、台湾で最も著名な語学学校である”台湾師範大学”で使用したテキストを利用して台湾中国語レッスンを提供。